『サムライ』絶賛引退宣言中のアラン・ドロンが最高に美意識高い系の裏の仕事人を熱演

ゴアン・マクレオの原作を、「ギャング」のジャン・ピエール・メルヴィルが脚色・監督したギャングもの。撮影は、「パリの大泥棒」のアンリ・ドカエと、直弟子のジャン・シャルヴァンの二人。音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当している。出演は、「冒険者たち」のアラン・ドロン、ドロン夫人のナタリー・ドロン、「シェラマドレの決斗」のカティ・ロジエ、「奇襲戦隊」のフラソワ・ペリエ、「アイドルを探せ」の監督であるミシェル・ボワロンなど。製作はジョルジュ・カサテイ。

原題 Le Samourai

1967年/フランス

配給:日本ヘラルド映画

久々にクールで美意識ムンムンの映画を見ました…

以前何かの記事で「アラン・ドロンの『サムライ』という映画は本当にいい作品なのにDVD化されないから、TSUTAYA発掘良品で取り扱って!」という内容を読んでいて、たまたまTSUTAYA発掘良品で見つけた今作。

(新渡戸稲造かどうかはわかりませんが)『武士道』による侍の持つ、孤独や虚無を、海外の殺し屋に当てはめた最高にストイックな作風になってます。(あくまでサムライにたとえているだけなので、侍は勿論、刀も出ないので悪しからず)

アラン・ドロン自体は、『若者のすべて』リマスターを映画館で見て以来。

  

ストーリーもその為簡素で、アラン・ドロン演じる殺し屋、ジェフ・コステロが依頼された殺しの後、退散しているところをピアニストの女性に目撃され、警察、そしてジェフを雇った組織に追われる羽目に。

そんな中次に殺しの依頼を受けるのですが、その相手はあのピアニストだった…という感じ。



・どこを切り取っても美しいアラン・ドロンのご尊顔を拝める神がかりな作品

上の画像のように、基本歩いていようか、拳銃を突きつけられていようが、車に乗っていようが、取り調べを受けていようが、どこを切り取ってもアラン・ドロンの表情が同じ為、「このアラン・ドロンじゃなきゃら嫌!」みたいなわがままボデーな方には大変オスフメな一本です。

ちなみに拳銃で撃たれ、腕に怪我を負うシーンもこんな顔してます。

自分で怪我の手当てもするシーンも痛くてビクッ!てなってるけど、顔はこれです。どこまでもなやつだぜ…

後殺し屋でしかも、依頼主に「俺は絶対負けない」と結構ゴリゴリな意見を言っておきながら、毎回ハットのつばが執拗に気になって仕方がなそうなナイーブな一面も…

そういう几帳面なところが、またサムライ独特の洗礼された美意識というところでしょうか。  
そういや、あんなに感情がないと、いったいどういうモチベーションで小鳥を飼っているんでしょうか。

会って小一時間問い詰めて見たい気もしますが、1秒もしないうちに消されそう。




・台詞<移動  

ポーカーフェイスにありがちな無口なキャラはこの頃から確立しているようで、なんと映画開始10分ほど一切セリフがありません。

ジェフが喋らないのはまだわかりますが、彼の隠蔽を手伝う仕事仲間のようなおっさんまで全然喋らない始末。

何か欲しいものがあったら、となりのトトロのカンタよろしく、あごをしゃくって要求する程度のアクション。無駄がなさすぎて逆に要領悪そうですが、この業界ではこの洗練された無駄のなさが生き残るための秘訣なのでしょうか…


あと今作は、ジェフの移動シーンが盛りだくさん。

移動シーンというとだいぶ退屈そうな印象を受けますが、彼には常に追っ手がかかります。

車は足がつくので、その辺から拝借(無数の鍵の束から、一つ一つその車に当てはまるものを探すという、さっきまでの無駄のなさどこいった?と聞きたくなるどアナログ)して、そのほかの移動は追っ手を巻くためにメトロを活用。それはもうフリーパスを贈呈してあげたくなるくらい、彼は巧みにメトロを乗り継ぎます。

時には恥を忍んで駅員に「間違えた」と必要最低限の謝罪をし、また別の改札へ。

警察はまんまんとジェフに巻かれてしまうのです。
そんなシーンがセリフの100倍くらいあるといっても過言ではない演出なので、食後とかに見るとこれが結構しんどかったり…

逆に万全のコンディションで見れば、きっとこの映画の醍醐味を味わえること必須です。


・影響を受けた作品たち




ウィキペディアを拝見すると、影響を受けた作品はかなりある様子。

最近のものではニコラス・ウィンディング・レフンの『ドライヴ』なんかが当てはまるそうです。

確かに主人公、ドライバーのキャラはかなりジェフに近いです。

ほとんど喋らないし、セリフも少なすぎるほど。

ただストーリーはかなり違うので、人によってはそのストーリーだったり、演出だったり、キャラだったりと数々の方面に影響を与えてる作品なのは間違いなさそうです。

あとこれは、ほかの方のブログを見てなるほどー!と、思ったのですが、オープニングでジェフがベッドに寝そべってタバコを吸うカット。あれが押井守監督の『ghost in the shell』の少佐の自室シーンと似ているという件。

『ghost in the shell』は三度の飯より好きな映画なので、今作がハマった理由がなんだかわかった気がします…


・ジョン・ウィックとの共通点




そしてこれは私が勝手に発見したものなのですが…

もうすぐチャプター2が公開する、『ジョン・ウィック』からも、共通点を見つけてしまいました。


そう…同業者ふたり、よく見ると腕時計のつけ方が手首の裏に、羅針盤が来るようにしているのです。(ジェフに関して、腕時計を見るシーンがあるので、本編の方がよりはっきり確認できます)

こういう付け方って女性が華奢な時計をつけるときだけだと思ったんですけど、やっぱり道具を使う時とかに、羅針盤が表に来てるとやりづらいんですかね…

…以上、私も意地でも影響した部分を発見したい、でした。

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