180分のモノクロ映画なのに…まったく退屈しない!ルキノ・ヴィスコンティ『若者のすべて』デジタル修復版をみました!

イタリアの巨匠ルキノ・ビスコンティが1960年に発表した監督第7作で、都会の生活に翻弄される兄弟の姿を、アラン・ドロン、アニー・ジラルド、クラウディア・カルディナーレら若き俳優たちを起用して描いた。ミラノに住む長男を頼りに、南部から移住してきたパロンディ家。次男のシモーネはボクサーとして成功への糸口を見つけるが、娼婦ナディアに溺れ落ちぶれていく。ある時、三男のロッコも偶然にナディアと知り合い、ロッコとナディアは惹かれあっていくが、2人の関係に嫉妬したシモーネによって悲劇が引き起こされる。日本では60年に初公開。ビスコンティ生誕110年&没後40年となる2016年、「ルキーノ・ヴィスコンティ 生誕110年 没後40年メモリアル イタリア・ネオレアリズモの軌跡」と題した特集で、デジタル修復版が上映される(4K完全修復版マスターから変換した2K上映)(映画.comより)

Rocco e i suoi fratelli

1960年/イタリア,フランス

配給:アーク・フィルムズ、スターキャット

公式サイト


ルキノ・ヴィスコンティのネオレアリズモ・リバイバル上映の第一弾。

クリスマスで世間が浮かれている状況(公開初日が12/24)に、まるで喝を入れるかのような予告編が忘れられません…(「人間のクズ!」)

「デジタル完全修復版」と題しただけあって、そのボリュームはちょうど3時間ほど…
白黒だし古いし絶対眠くなるなあと思いながら見たのですが、怒涛のエモーショナルな演技が畳みかけてくるので結構短く感じます。

若き日のアラン・ドロン『太陽がいっぱい』と同時期にして、役柄はかなり異なります)も盛りだくさんなので、目の扶養にも!

お話としては、成功を夢見て、長男ヴィンチェンツォの住むミラノにやってきたアロンドロン演じる三男ロッコと、その兄弟と母たちの家庭崩壊を、これでもかと情熱的に描いてます。

唯一のあてである長男がまさかの結婚パーリー中という事態に、激おこなオカン。

結局ボロダンタのようなところに、一家は満足な職もないまま身を寄せることになります。。

しかし、職がない代わりに、次男のシモーネにはボクシングの才能がありました。(ロッコにも、才能はありましたが、その時はシモーネが注目されていました。)賞金で稼ぎになるのかあ、えがったなあー!

と思っていたのもつかの間。

シモーネにはその名に恥じない、女の手グセの悪さの才もあったのです…

かのチャンプの、「女とするのはいいが、足腰に気をつけろ」という名言があるにも関わらず、シモーネはナディアという娼婦と知り合ってから、すぐ練習をサボるようになります。

しまいにシモーネは、クリーニング店で働くアラン・ドロン(今作最大の萌えポイント)の女店主に性的魅力をムンムン放った隙に、高価なブローチを盗んで、ナディアに贈ります。

しかしこれが裏目に出て、ナディアはたまたま会ったロッコに、こんなもんは要らないとブローチを返します。

結果的にロッコは、兄のせいでクリーニング店をクビになり、ま逆?の徴兵のために街を去るので会った…

しかしここで大事なのは、ロッコは兄に対して怒りや憎しみを抱いていません。

これがのちの悲劇になるとも知らず…

それから1年2ヶ月たつと、街でロッコとナディアは再会を果たします。

運命的な出会いも相まって、2人はすぐに付き合います。

あのクリーニング店で働いてたチェリーボーイ(確か作中だとロッコは20歳そこそこ)が、娼婦と?!と思いますが、彼女も心を入れ替え、シモーネに熱い手のひら返しのごとく、真面目な生活を送るようになります。

そんなことされて、ボクシングの才覚が黙っているわけありません(ムンムン)

激しく嫉妬したシモーネは、実の弟の彼女にも関わらず、(だからこそ?)、仲間数人でロッコを押さえつけ、彼の目の前でナディアを襲ってしまいます…

どうしてこうなった…と言わんばかりの表情の観客、ロッコ、シモーネの仲間たち…

泣きながら去って行くナディアをシモーネの仲間たちでさえ罪悪感で顔を上げることすらできません…

その後兄弟は殴り合いの喧嘩をするのですが、(殴り合いの喧嘩で済むのが凄いですが…)このシーンがなかなかにエモいです。

殴り合いを続けながら移動をします…
これを機に、ロッコはなんとシモーネのために、ナディアは破局。

さらにナディアとシモーネはよりを戻すという、テラ○ハウス脚本家も驚きの展開に。

そして自堕落な生活を送る2人の代わりに、ロッコは健気かなボクサーの道を歩み、タイトル戦で稼いだ賞金で、借金の肩代わりをします…

しかしこの手の悲劇はやはり繰り返されるようで…

結局シモーネが自堕落すぎて警察に追われたりしてるうちに二人は破局。

ロッコと交際中に「私、勉強してタイピストになるの!」と行っていた当時の面影は全くなくなったナディアに、シモーネは復縁を迫る懲りない様子。

しかし斜め上をいくシモーネは、復縁を拒否されただけでなく罵倒されたことによって、ナディアを刺しにしてしまうのです…

どうしてこうなった…と言わんばかりの表情の観客。

その頃、ロッコの一家は、彼の祝勝会でお祝いムードでしたが、そこにシモーネが逃げ込み、事情を話します。

ロッコはそれでも、シモーネに怒ることなく、かれを庇うのですか、見兼ねた四男が警察に通報します…

それを必死に止めるロッコには、感情移入が全くできないのに、どうにも胸が熱くなってしまいます…  

四男は映画の最後にこう言います。

「俺もシモーネは好きだ。ロッコは確かに優しいが、その優しさ輪をかけて、シモーネを苦しめてしまった」と…

こうした、ことの外野ではありますが、家族ならではの客観視が、より一家の崩壊を際立てていてやるせない映画でした…

180分にも関わらず、すごい熱量です…

広告

180分のモノクロ映画なのに…まったく退屈しない!ルキノ・ヴィスコンティ『若者のすべて』デジタル修復版をみました!” への1件のフィードバック

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中